日本画や掛け軸などの左下に作者名と共に押印されている印章。あれが落款です。
正方形、または長方形のものがほとんどでこれを落款、または落款印といいます。
「落成款識(らくせいかんし)」の省略で、「完成の銘」を意味します。
書道や 日本画、俳句などを趣味とされる方は必ず用意してほしいものです。
また雅号、ペンネームのある方は、絵手紙やカードなどに捺印するのも風雅な楽しみでしょう。
落款と同じく石印材に篆書体で表現する印章を篆刻といい、蔵書の所有を示す〈蔵書印〉やお目出たい言葉をまとめた〈吉語印〉などがあります。
しかし古いしきたりにとらわれず自分なりの楽しい落款も増えています。
例えば年賀状や ファックスの末尾に自分の顔やイラストを彫ったもの、姓の一字や地名を掘り込んだものなど…。それを現在は〈遊印〉と呼んでいます。
自作のイラストで遊印を作ってみるのも面白いでしょう。篆刻の基本には、字を浮き彫りにしたものを朱文(陽刻)、凹彫りにしたものを白文(陰刻)という区別があります。
デザインに応じて使い分けてください。
夏目漱石、森鴎外、尾崎紅葉…かつての著名な作家はほとんど雅号(ペンネーム)を持っていました。現在でも書家や日本画家には雅号を持つ人が少なくありません。
あなたも雅号を作ってみませんか?
雅号の作り方には色々な考え方がありますが、あなたの姓や名の一字にもう一字加え、○山・○雲・○峰・○風・○泉・○華とするのもひとつの方法です。
雅号に多く使われる字はこのほか、春・青・静・芳・竜・ 香・翠・舟・月などがあります。
出来上がったらさっそく落款印をつくってみましょう。あなたはもう文化人です。